一般転記グループ


一般転記グループ – Learn | Microsoft Docs の解説。

この章に関してLearnの説明は日本語だと少しわかりにくい。一つは翻訳で選択する日本語が適切でないという問題と、表記ゆれの問題がある。
表記揺れに関して言うと、この章は「一般」転記グループだが次章は「汎用」転記設定である。urlのja-jpをen-usに打ち換えて読むと分かるがどちらも’General’である。日本語の訳語の選択についていうと「一般製品転記グループ」とあるが一般「品目」転記グループの方が実態を表している。なぜなら、製品以外の品目(ex.商品、サービス)にも使われるからである。

そのため前章に比べると難易度が非常に上がって見えるが、転記グループは勘定科目を決定する仕組みであること、マスタに設定した転記グループが伝票や仕訳帳上で引用されること、を押さえておけば理解は難しくない。(少し複雑になるので慣れるのは時間がかかるが落ち着いて考えると理解はできるはず。)

さて、前々章の Customer Posting Groupは得意先向けの債権勘定を決めるための仕組みだった。つまりCustomer Ledger EntryとGenral Ledger Entry を結ぶものだった。前章の Inventory Posting Group は 在庫資産勘定を決めるためのものだった。つまり Item Ledger Entryと General Ledger Entry を結ぶものだった。(余談だが個人的にはInventory Ledger Entryという名前にしたほうが用語の整合性がある気がする。)
今回の General Posting Group/Setup の General が何のGenralかというと、おそらくGeneral Ledger のGeneral である。つまり、特定の補助元帳とG/Lを紐づけるのではなくて純粋にG/Lの勘定科目を決めるための仕組である、と捉えると少し理解がしやすくなる。

実例を見てみよう。Cronusの以下のSales Order(受注伝票)を転記プレビューする。

General Ledgerの明細がいろいろと出来ているが、下から3行目の明細に注目する。勘定科目6110:Sales, Retail-Domとなっている。これはいわゆる売上勘定を表しており、かつ「国内-小売」という分類の売上になっている。この勘定科目を決定するのが一般転記グループの仕組みである。

売上勘定の決定は複数の要素の組み合わせで決まる。在庫勘定の決定に似ている。在庫勘定はLocation(場所)とInventory Posting Group(在庫転記設定)の組み合わせで決まったが、売上勘定はGeneral Business Posting Group(一般ビジネス転記グループ)とGeneral Product Posting Group(一般製品品目転記グループ)の組み合わせで決まる。この組み合わせと勘定科目をまとめたもの(=決定表)がGenral Posting Setupである。(Learnの解説では「汎用転記設定」とあるが、、「般転記設定」の方が適切と考える。)以下はGeneral Posting Setupの画面である。虫眼鏡アイコンからキーワード検索するとすぐに見つかる。

前章と同様、伝票転記の際にどこから転記グループが引用されたかを説明する。

General Business Posting Group(一般ビジネス転記グループ)は得意先マスタから引用される。ちなみに仕入先も同じ項目を持っており、発注伝票だと仕入先から引用される。

General Product Posting Group(一般品目転記グループ)は品目マスタから引用される。ちなみに、品目マスタ以外にも伝票の明細に入力できるマスタ(ex.リソース、勘定科目)にはこの項目が存在し、伝票の明細に入力した際に引用される。

General Business Posting Group を見てみる。勘定科目はSetupの方で組み合わせとして持つのでこちらはシンプルにコードとテキスト+αくらいしか持っていない。

General Product Posting Group もこちらはシンプルにコードとテキスト+αくらいしか持っていない。

次章ではGeneral Posting Setup(一般転記設定)を見ながら、なぜGeneral Business Posting GroupとGeneral Product Posting Groupの組み合わせで決まるようにしたのかを説明する。