量子コンピュータ入門


最近話題になりつつある量子コンピュータについて書いてみようと思います。タイトルに「入門」と書きましたが、門下生をとる力量はもちろんないので自分が入門するという意味です。Dynamicsなどの他の記事同様、色々調べて実機で色々試してみて分かったことを何回かに分けて書いていこうと思います。

量子コンピュータというものの存在というか概念については十数年前から知ってはいたのですが、自分が生きているうちに実現するかどうかも良くわからない夢の技術、という印象でした。また、ここ数年でネットニュースの記事を目にする機会もありましたが、スパコン同様に「一般人には触れないもの」という認識でいました。

ですが、いろいろと調べてみると「ホンモノの量子コンピュータを誰でも無料で気軽に使う事ができる」ということを知りました。具体的に書くと、「IBM社が開発した5量子ビットの量子コンピューターにクラウド経由でアクセスして演算させることができる。(今のところ)無料で利用できる。」ということです。

そうきたかwという感じです。量子コンピュータは原理的に(すくなくとも現時点の技術では)絶対0度(-273.15℃)近くまで冷やして動かす必要があり、普通の会社やましてや個人では手が出ないわけですが、IBMとかGoogleとかMicrosoftみたいな巨大企業であれば設備を持つのは難しくないでしょう。そしてクラウドサービスとして提供することはお手の物でしょう。

よくよく考えてみれば、DynamicsみたいなERPもクラウドサービスとして提供されていて、1ヶ月のフリートライアルで気軽に使ってみることはできるわけで、同じスキームといえば同じスキームですね。Dynamicsとかだと「オンプレでもいいんじゃない?」という意見もあったりするわけですが、量子コンピュータだと前述の理由でクラウドにせざるを得ません。

IBM社が無料にしている理由は(詳細は同社のサイトを見て頂きたいですが)量子コンピュータの活用技術の発展のため、ということのようです。量子コンピュータはいくつかのテーマについては従来型のコンピュータよりも劇的に計算が早いという事が知られていますが、他にもどんな未知の「得意な問題」があるかはまだ分かっていないのが現状です。量子コンピューターそのものの技術はIBMが所有するが、量子コンピュータを使う中で見つけた/思いついた技術やノウハウはその人に帰属する、という同社の表明は何とも男前で感動的です。(もちろんデファクトスタンダードになる、といった商業的な理由もあるのでしょうが、、量子コンピューターで世界を変えていくんだというような気概のようなものを感じて鳥肌がたちました。)

一方、我らがMicrosoftは量子コンピュータのハードウェア開発ではIBM,Googleに後れを取っており、両者とは異なる方式の「トポロジカル量子ビット」で巻き返しを図っているようです。加えて、量子コンピュータ向けのアプリケーション開発用にプログラミング言語Q#をリリースするなど、量子コンピュータの技術者養成に力を入れています。(このあたり、最終的にハード開発で勝てなかったとしても量子コンピュータ向けのOSからアプリケーションの下のミドルウェア的な部分を押さえに行く戦略か?とか妄想するのが楽しいですね。)

とりあえず、IBM Q で実物の量子コンピュータを動かして基本的な特徴を押さえたうえで、Q#で’Hello World!’的なことをやるのを当面の目標にしてトライしてみたいと思います。

 

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